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学校法人日本医科大学

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著者インタビュー  木田厚瑞 「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」

著者紹介 木田厚瑞 日本医科大学呼吸ケアクリニック所長

書籍紹介

『COPD(慢性閉塞性肺疾患)』は、喫煙や有毒なガス、微粒子の吸入がきっかけとなり、肺だけではなく全身にも影響をもたらす命に関わる疾患です。「タバコ病」ともいわれ、最近、広く知られるようになってきました。COPDについてお医者さんの話がよく分かるように書かれた一冊。
『COPD(慢性閉塞性肺疾患)と言われたら‥』保健同人社 平成24年9 月 出版 1500円+税


最先端の研究を分かりやすく広めるために

「学問の世界の進歩を広く患者さんに届けたい、と考えながらいつも患者さんと向き合っています」

専門家向けの学術論文だけではなく、患者さんや一般の人向けに分かりやすい本を書くのが好きだと語る木田厚瑞先生。これまで多くの本を書いてきたが、最初に感銘を受けたのは、学生の頃に読んだ時実利彦東大教授の『脳の話』(岩波新書、1962年刊)だという。
「『脳の話』はとても分かりやすい名著で、将来こんな本を書きたいと思っていましたが好機を得て1995年に「肺の話」を岩波新書として出版することが出来ました」。それまでは、研究を行い、英語論文を書くのが一番大事で、それで十分だと思っていたという。『肺の話』が4万部以上売れ好評だったことから考えが変わっていったと語る木田先生。「要するに、臨床医は学問だけやっていてもしょうがない。自分たちが臨床で得た最先端の情報を、広く患者さんに伝えなくてはいけない、と思ったわけです。象牙の塔ではだめで、誰にでも分かるようにするのが研究を行う者の義務だと思っています」

そのため約10年間続いているNHKラジオの生番組では患者さんと直接対話する。またテレビなどメディアを通じて新しい情報を分かりやすく伝える努力を長年続けている。
「ラジオは全て言葉だけで説明しなくてはならないので大変ですね。難しいですが、非常に鍛えられました」と、きさくに語る木田先生。
「最近では、ノーベル賞を受賞された山中教授がiPS細胞の研究を非常に分かりやすく説明されていますよね。一流の研究者はそうあるべきなんだなと思います」


複雑な肺の慢性疾患、「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」

木田先生が現在所長を務める呼吸ケアクリニックは、COPDの専門クリニック。開院から9年で、1万人の初診患者さんが訪れた。
「COPDに関しては、私たちのクリニックは日本で一番多くの患者さんを診ています。それでも同じ病態は一つもなく、まだまだ難しい病気だと感じます」

患者さんは日本のみならず、中国、韓国、シンガポールなどからも評判を聞きつけてくるという。
「分かりにくい病気ということもあり、当院の大半の患者さんは、かかりつけの病院での説明に納得していないという方が多いです。その点では、このクリニックの看護師さんも皆説明が上手ですし、患者教育は非常に充実しています」と語る木田先生。

本書には、クリニックにおける日常診療そのものが書かれている。また最後の項目にある、患者さんのセルフマネージメントを高めるLINQという教育ツールは、現在、全国で約30チームが取り組んでいる包括的な呼吸器セルフケアシステムだ。

木田先生はCOPDではセルフケアが非常に重要だと言う。
「本書でも、医療者に対して、日常的な患者教育の必要性について書きました。またそのためにも、患者さんには病気についてしっかりと理解していただきたいと思います。本書は分かりやすく書いたつもりですので、多くの患者さんやご家族に読んでいただければうれしいですね」

プロフィール

木田 厚瑞KIDA KOUZUI

日本医科大学呼吸ケアクリニック所長

【 経歴 】
1970年金沢大学医学部卒業、1975年同大学院修了、1977年カナダ留学、1994年東京都老人医療センター呼吸器科部長、2003年日本医科大学呼吸器内科教授、2011年日本医科大学特任教授 [主な著書]肺の話(岩波新書)、息切れを克服しよう:患者さんのための包括的呼吸リハビリテーション(メディカルレビュー社)、肺の生活習慣病(COPD)(中央公論新社)ほか [資格] 医学博士、日本内科学会 指導医・認定医、日本老年医学会 指導医・専門医・評議医員、日本呼吸器学会 指導医・専門医・評議医員、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 理事長・評議医員

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