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学校法人日本医科大学

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著者インタビュー  宮本正章 「知らないと怖い糖尿病の話」

著者紹介 宮本正章『知らないと怖い糖尿病の話』

体は再生しようと頑張っている

 「人間というのは非常にうまく出来ているのです。足りなくなったら、再びつくろうとする再生という本能があるので、血流の悪い所に必要な細胞やタンパク質を入れてあげることで、また毛細血管が出来るのです」  2002年に日本医科大学へ赴任する以前は、米国UCLAから帰国後、京都大学再生医科学研究所で主に細胞移植の研究をしていた宮本正章先生。アメリカに比べて日本では、ドナーが少なく、臓器移植はなかなか進まない。技術があってもなかなか実際の臨床に応用出来ず、さらに細胞移植を医療として根付かせるのはなかなか難しい。そんな中、臨床の現場に立ってみると、脳梗塞や心筋梗塞など、血管が閉塞し血流が行き届いていないという病態で困っている患者さんが非常に多いことを感じたという。
 「血流を増やす技術ならこれまでの研究を応用できることがわかっていたので、そこで実際に臨床の現場で、再生医学ではなくて再生医療をやっていこう、と決意しました」
 移植と違って、【自分のものを使って自分の体の中で増殖させる】という医療は、日本人の精神的にも、倫理的にも受け入れられやすい。実際に効果も高く、その治療方法はどんどん進んでいる。

小さなことを積み重ねて,大きなことを改善する

 「一度考えてみてください。糖尿病になってしまうと、最悪の場合、自分の人生がどうなってしまうのか」
 日本医科大学付属病院再生診療科では、糖尿病で足の切断を迫られる患者さんが血管再生医療によって、【自分の足で歩いて帰る】ことを目標にしている。
 「8割強の患者さんは、自分で歩いて帰られます」
しかし、そのような事態になってしまう前に、予防や、治療出来ることの方が良い。
 「残念ながら、糖尿病は症状がなかなか出ないから、皆さん軽く考えがちなのです。人は困ったら何か行動を起こすけど、困らなければそのまま変わらない毎日を繰り返してしまう。足を切断だと言われて、そこで、はたと気がつく。だから、とっても怖い病気だということを早い段階で知ってもらいたいのです。早い段階で気付いて合併症を予防し、コントロールさえすれば、若い人だったら糖尿病薬が必要なくなるという人もいます。40歳を越えていてもコントロール次第で普通の人生が送れるというのも事実です。それは本人の覚悟と頑張りなのです。つまり行動です。ですから、その行動を起こさせるためには、こういう本が、一つの良い啓蒙書になるのではないか、と思っています」

プロフィール

宮本 正章MIYAMOTO MASAAKI

日本医科大学付属病院再生医療科教授・部長

【 経歴 】
1959年東京都生まれ。84年近畿大学医学部卒業。米国UCLA糖尿病研究センター研究員、98年、日本膵臓学会学術賞受賞、日本外科学会国際委員会98年度ドイツ外科学会出席旅費給付生(ドイツGiessen大学留学)、京都大学再生医科学研究所器官形成応用分野助教授、財団法人京都大学後援会海外派遣事業(短期派遣)米国Miami大学研修などを経て、2002年に日本医科大学第一内科助教授。07年から付属病院再生医療科部長。同年、マゴットセラピーシステムを生産・販売する㈱バイオセラピーメディカルを創業。東京都ベンチャー技術大賞受賞。10年、日本医科大学付属病院再生医療科教授。医学博士。理事・評議員・代表世話人を務める学会・研究会は、日本再生医療学会、日本炎症・再生医学会、日本脈管学会をはじめ16学会・研究会。専門医・指導医は、日本外科学会指導医、日本消化器病学会指導医、日本糖尿病学会専門医、介護支援専門員(ケア・マネージャー)としても活動。2015年第13回日本フットケア学会学術集会会長予定。

 

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