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学校法人日本医科大学

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がん特集  がん総論・最新情報 ①

Webマガジン  「家族のために知っておきたい医学知識:がん総論・最新情報」として、がんとは何か、原因、診断、検査、さらには治療、予防法などを詳しく紹介しています。

日本人の死因第1位である「がん」。現在、日本人は一生のうちに二人に一人は何らかのがんにかかるといわれています。がんは誰でもかかる可能性のある身近な病気です。がんは生活習慣の見直しなどで予防することが可能ですが、完全に予防することは出来ません。万が一がんが見つかったら、適切な診断と治療を受けることが大切です。今回は、日本医科大学付属病院がん診療センター部長の久保田馨(くぼた・かおる)先生にお話を伺いました。

がんの医学的な定義や種類とは

一言でいえば、がんは細胞の設計図となる遺伝子の病気です。がんには、「自律性増殖」「浸潤と転移」「悪液質(あくえきしつ)」という3つの特徴があります。がん細胞は、正常な新陳代謝の都合を考えず勝手に増殖を続け、止まることがありません(自律性増殖)。また、がん細胞は周囲にしみ出るように広がるとともに、体のあちこちに転移し、どんどん新しいがん組織をつくってしまいます(浸潤と転移)。そして、がん組織はさまざまな他の正常な組織が摂ろうとする栄養をどんどん奪ってしまい、体を衰弱させるのです(悪液質)。
がんは細胞があるところにはどこでも発生する可能性がありますが、出来る場所によって大きく3つに分けられます。①造血器に出来るもの②上皮細胞に出来る「癌」③非上皮性細胞から出来る「肉腫(にくしゅ)」です。①は白血病、悪性リンパ腫など②は肺がん、乳がん、胃がん、喉頭(こうとう)がんなど③は骨肉腫などが代表的です。
がんにはさまざまな種類があります。日本人の死亡者数で多いのは、男性で肺、胃、大腸の順、女性では大腸、肺、胃の順となります。罹患数は、男性で胃、前立腺、肺の順、女性では乳房、大腸、胃の順となっています。
高齢になるにしたがって、がんになる確率は高くなります。図1〜3に示すように、年齢で調整した場合、最近はがんの死亡率は減少傾向にあります。しかし、日本社会の高齢化のため、がん患者数、がん死亡数は増加を続けています。

図1:日本人の主な死因(出典:厚生労働省「平成27年(2015)人口動態統計の年間推計」から)図2:男性の部位別がん年齢調整死亡率 (出典:公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2015」一部改変)図3:女性の部位別がん年齢調整死亡率 (出典:公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2015」一部改変)図3:女性の部位別がん年齢調整死亡率 (出典:公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2015」一部改変)

 

がん細胞とはどんなものか

がんは、普通の細胞から発生した異常な細胞のかたまりです。正常細胞は成熟して特定の機能を持つ細胞に分化しますが、がん細胞は、正常細胞と比べて未分化で、無秩序に分裂、増殖、浸潤します。がん細胞は成熟も分化もせず、体からの命令を無視して増殖し続けます。勝手に増殖するため、周囲の大切な組織を壊してしまうのです。
また、がん細胞は免疫系から逃れる特徴もあるため、厄介です。過剰な免疫を抑制するための機構を免疫チェックポイントといいます。がん細胞はこの機構を上手く利用していることが最近分かってきています。

プロフィール


【 経歴 】
略歴:
1983年3月    熊本大学医学部専門課程卒業
1983年〜1984年 熊本大学医学部附属病院第2内科研修医
1985年〜1986年 熊本大学医学部附属病院第2内科医員
1986年〜1993年 国立療養所近畿中央病院内科医員
1993年〜1997年 国立がん研究センター東病院呼吸器科医員
1995年〜1996年 Vanderbilt University Medical Center, Division of Medical Oncology, visiting scholar
1997年〜1999年 国立がん研究センター中央病院内科医員
2000年〜2009年 国立がん研究センター東病院病棟部病棟医長
2009年〜2010年 国立がん研究センター中央病院総合病棟部14A病棟医長
2010年〜2011年 国立がん研究センター中央病院呼吸器腫瘍科外来医長
2011年〜2015年 日本医科大学付属病院化学療法科部長
2012年〜現在    日本医科大学付属病院 がん診療センター部長
2015年〜現在    日本医科大学付属病院呼吸器内科部長
2016年〜現在    日本医科大学内科学(呼吸器内科学)教授

専門分野:内科学、臨床腫瘍学、呼吸器内科学、精神腫瘍学
資格:日本呼吸器内視鏡学会認定気管支鏡専門医、日本精神腫瘍学会認定コミュニケーション技術ファシリテータ
公的役職:世界肺癌学会(IASLC)staging committee委員、日本肺癌学会評議員、利益相反管理委員、日本臨床腫瘍学会協議員・理事(2013-2015)、日本呼吸器内視鏡学会評議員・編集委員、日本サイコオンコロジー学会ガイドライン作成委員、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)プロトコール審査委員会委員長、日本癌医療翻訳アソシエイツ理事長、日本・多国間臨床試験機構理事、東京がん化学療法研究会理事

 

こちらの記事は「意気健康 18秋号(2016年9月発行)」の巻頭特集に掲載されたものです。
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