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学校法人日本医科大学

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がん特集  がん総論・最新情報 ②

Webマガジン  「家族のために知っておきたい医学知識:がん総論・最新情報」として、がんとは何か、原因、診断、検査、さらには治療、予防法などを詳しく紹介しています。

日本人の死因第1位である「がん」。現在、日本人は一生のうちに二人に一人は何らかのがんにかかるといわれています。がんは誰でもかかる可能性のある身近な病気です。がんは生活習慣の見直しなどで予防することが可能ですが、完全に予防することは出来ません。万が一がんが見つかったら、適切な診断と治療を受けることが大切です。今回は、日本医科大学付属病院がん診療センター部長の久保田馨(くぼた・かおる)先生にお話を伺いました。

 がんの原因  ①喫煙

たばこ イメージイラストよく誤解されていますが、遺伝によりがんになる可能性は非常に低く、割合にして5%以下と考えられています。それよりも、生活習慣や感染の影響の方が大きいのです。
発がんの一番大きな原因は、喫煙です。たばこの煙(主流煙、呼出煙、副流煙全て)には、たくさんの発がん物質が含まれています。さらに恐ろしいのが、たばこの煙を吸うことで気道や肺の細胞に影響を与えるだけではなく、肺から血液に入って、全身に運ばれてしまうことです。つまり、喫煙は肺がんだけではなく、あらゆる臓器の発がんリスクとなるのです(図5)。
1950年にはすでに喫煙と肺がんの関係が報告されています。100年前は肺がんという病気はほとんどありませんでしたが、たばこの増加に伴って、20〜30年遅れて増加してきました。受動喫煙も大きな要因で、30~40代の非喫煙者の肺がんは受動喫煙、特に幼少期の受動喫煙が原因です。生活環境に影響された病気というのは20〜30年後に発症することが多い為、このような結果になっています。
国がたばこを規制する背景にも、こうした病気との関連があります。現在、日本人の死因の第1位はがんですが、第2位の心疾患、第3位の肺炎、第4位の脳血管疾患、いずれも喫煙が原因となる病気です。国として医療費を抑えるためにも、喫煙対策は重要なのです。

図5:「喫煙とたばこ煙」に対する評価 (出典:国際がん研究機関「ヒトへの発がん性リスク評価モノグラフ第83巻」2002年一部改変)

プロフィール


【 経歴 】
略歴:
1983年3月    熊本大学医学部専門課程卒業
1983年〜1984年 熊本大学医学部附属病院第2内科研修医
1985年〜1986年 熊本大学医学部附属病院第2内科医員
1986年〜1993年 国立療養所近畿中央病院内科医員
1993年〜1997年 国立がん研究センター東病院呼吸器科医員
1995年〜1996年 Vanderbilt University Medical Center, Division of Medical Oncology, visiting scholar
1997年〜1999年 国立がん研究センター中央病院内科医員
2000年〜2009年 国立がん研究センター東病院病棟部病棟医長
2009年〜2010年 国立がん研究センター中央病院総合病棟部14A病棟医長
2010年〜2011年 国立がん研究センター中央病院呼吸器腫瘍科外来医長
2011年〜2015年 日本医科大学付属病院化学療法科部長
2012年〜現在    日本医科大学付属病院 がん診療センター部長
2015年〜現在    日本医科大学付属病院呼吸器内科部長
2016年〜現在    日本医科大学内科学(呼吸器内科学)教授

専門分野:内科学、臨床腫瘍学、呼吸器内科学、精神腫瘍学
資格:日本呼吸器内視鏡学会認定気管支鏡専門医、日本精神腫瘍学会認定コミュニケーション技術ファシリテータ
公的役職:世界肺癌学会(IASLC)staging committee委員、日本肺癌学会評議員、利益相反管理委員、日本臨床腫瘍学会協議員・理事(2013-2015)、日本呼吸器内視鏡学会評議員・編集委員、日本サイコオンコロジー学会ガイドライン作成委員、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)プロトコール審査委員会委員長、日本癌医療翻訳アソシエイツ理事長、日本・多国間臨床試験機構理事、東京がん化学療法研究会理事

 

こちらの記事は「意気健康 18秋号(2016年9月発行)」の巻頭特集に掲載されたものです。
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