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学校法人日本医科大学

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体が発するSOS  しびれ

Webマガジン 体が発するSOS、めまい 上田雅之

しびれは一般的になじみのある症状ですが、さまざまな原因が元で引き起こされるため、顕著な症状があっても病名がつきにくく、また軽いしびれの裏にも重篤な疾患が隠れていることがあります。そのため問題のない症状であるのか正しく切り分け、必要であれば適切な治療を行うことが必要です。今回は日本医科大学付属病院神経・脳血管内科の永山寛(ながやま・ひろし)先生にお話を伺いました。

しびれとは?

しびれとは、一般的に感覚異常の一つと考えられます。何らかの原因で神経に障害が起こると、知覚が異常になり、皮膚感覚が過敏になったり、なくなるなどの症状が続きます。正座を長時間続けることや、いつも同じ姿勢で寝ていることなど、生活習慣が原因である一時的なものから、脳疾患を原因とするしびれまで要因は多岐に渡ります。各個人が感覚の異常を感じたときに表す表現であるため、「しびれとは何か」という医学的定義は明確にはありません。

しびれの原因

図1しびれの種類神経の障害に起因するしびれには脳や脊髄といった中枢神経に問題が生じることで起こるものと、そこに繋がる四肢の末梢神経の障害によって起こるものがあります(図1)。
末梢神経の障害による代表的なしびれは、糖尿病によって引き起こされる手足の先のしびれで、後に述べる「多発神経障害」と呼ばれます。中枢神経系によるしびれの多くは、脳梗塞などにより顔を含む半身にしびれを生じます。
長時間正座をしていたり、同じ姿勢を続けていたりしたために生じるしびれは、圧迫によって血液循環が障害されるために生じますが、多くの方は正座から立ち上がったり姿勢を変えること(圧迫の解除)で元にもどりますので問題はありません。

末梢神経障害の分類と代表的な疾患について

図2:多発神経障害の説明末梢神経の障害に起因するしびれはいくつかの形態に分類されます。一つは先ほども述べた「多発神経障害」です。これは四肢の末端に行けば行くほど強くなるしびれで、多くは左右対称にしびれます。
ちょうど手袋や靴下を履く部位に一致するので、「手袋・靴下型」と呼ばれます(図2)。私たちが最もよく出会う原因となる疾患はやはり糖尿病です。

次は「単神経障害」といわれるもので、一本の神経のみが障害されて生じます。末梢神経障害はそれぞれ障害されやすい部位があり、たとえば、正中神経の障害(手根管症候群など)は手首で生じやすく、手のひらと親指から薬指までがしびれます。また、尺骨神経の障害(肘部管症候群など)は肘で生じやすく、手のひらの小指側と薬指と小指がしびれます。これらが同時に複数生じることもあり、これを「多発単神経障害」と呼び、血管炎などでみられます。
図3:脊髄神経の区分手足や体に分布する末梢神経は、脊髄から出る左右31対ある脊髄神経に起因し、この起始部を神経根と呼びます。たとえば腕に行く神経は、図3のC4〜5の間から出る第5頸神経根から、第1胸椎(Th1)の下から出る第1胸神経根までの5つの神経根(第5〜8頸神経根と第1胸神経根)により構成されますが、これらの多くは一度複雑に絡んだあと、幾つかの神経としてまとまり、先ほど述べた正中神経や尺骨神経などとして四肢末端へと繋がっていきます。この神経根は脊髄から出て背骨のすき間を通って出てくるので、頸や腰の背骨や背骨の間の軟骨(椎間板)に障害のある方では圧迫されてしびれなどの神経の障害を起こすことがあります。

プロフィール

【 経歴 】
略歴:
1993年 日本医科大学 卒業、日本医科大学付属病院 精神神経科、日本医科大学付属第一病院で研修
1995年 東京都多摩老人医療センター(現:東京都多摩北部地域病院)神経内科
1999年 日本医科大学 神経内科 助手
2000年 医学博士 取得
2010年 日本医科大学 神経内科 講師
2013年 日本医科大学大学院 医学研究科神経内科学分野 講師

専門分野:
Parkinson病、末梢神経・筋疾患

研究テーマ:
MIBG心筋シンチを用いたParkinson病及び類縁疾患の診断、Levodopaの薬物動態評価を用いたParkinson病の治療、Parkinson病の精神症状の評価と治療、Parkinson病の気分障害

 

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こちらの記事は「意気健康 13夏号」の巻頭特集に掲載されたものです。