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学校法人日本医科大学

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体が発するSOS  頭痛

Webマガジン 体が発するSOS、頭痛 臼田和弘先生

「頭痛持ち」という言葉があるほど、頭痛を日常的に感じる方は多く存在します。国民の4割が頭痛に悩んでいるとの統計もあるほどです。しかし、中には緊急の治療が必要となる危険な頭痛もあるため、自分の頭痛はどのようなものであるのか知っておくことが大切です。今回は日本医科大学付属病院神経・脳血管内科の臼田和弘(うすだ・かずひろ)先生にお話を伺いました。

頭痛とは?

頭痛とは体の不調のなかでも一般的なものです。医学的には、「眼窩外耳孔線(眼窩という頭蓋骨の前面にある眼球の入っているくぼみと、耳の穴をつなぐ線)から上部にある痛み」と定義され、頭部の全体だけではなく、後頭部と首の境界、目の奥の痛みも頭痛として扱います。よくみられる症状ではありますが、日常生活を送ることがままならないほどの症状を持つ患者さんも多く、社会に大きな影響を与える疾患であるといえるでしょう。

頭痛の種類

図1:頭痛の分類 図2:頭痛の起こり方痛みの特徴頭痛は2種類に分けられ、他の病気などの特定の原因がなく頭痛発作を繰り返す頭痛(一次性頭痛または機能性頭痛と呼ばれています)と、頭部外傷、くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など脳や頭部の病気の症状として出てくる頭痛(二次性頭痛または症候性頭痛と呼ばれています)とに大別されます(図1)。主な頭痛の起こり方を図2に示します。

一次性頭痛

ここで、代表的な一次性頭痛である片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛についてご説明します。

片頭痛

頭痛の起源は、脳血管や三叉神経終末由来とする末梢起源説と脳幹由来とする中枢起源説がいわれています。片頭痛の歴史は古く、紀元前4000〜3000年の古代バビロニアの文献に、「頭痛が砂漠のいたるところを徘徊する。風のように吹きまくり、稲妻のように走り、上界も下界も思うがままー(中略)頭痛がどこを通って、どこへ行くのか、またどのくらい続くのか、ちょうど恐ろしい台風と同じように、それは誰にもわからない」 との記載があるほどです。片頭痛は繰り返し起こるため、「いつもの頭痛」として医療機関を受診しないケースが多くみられますが、日常生活をいつも通りに送れないほどであれば、投薬や生活改善で症状をコントロール出来ることもあるため、一度医師に相談することをお勧めします。20〜40歳代の女性に多く、代表的な症状は、日常生活に影響が出るほどの頭痛、動くと痛みがひどくなる、痛みによって吐き気をもよおす・または吐いてしまう、光や音・においに過敏になる、下痢、顔面蒼白、肩や首がこるといったものです。頭の片側がズキンズキンと脈を打つ頭痛が4~72時間持続します。また、片頭痛発作が始まる数日~数時間前に予兆が現れることがあります(図3)。図3:片頭痛の経過図{立岡良久: 診断と治療, 93巻10号, 1859-1865(2005)より改変}

緊張型頭痛

末梢性要素として、頭蓋周囲筋の圧の上昇、中枢性要素としての過興奮状態の中枢神経系における交感神経性血管収縮、痛み制御の異常などの原因が考えられている頭痛です。悩みやストレスや無理な姿勢などにより症状が現れることが多いと考えられています。女性に多く、一度痛みが出ると30分~7日間ほど持続し、頭にはちまきを強く巻いたような痛みを感じます。

群発頭痛

群発頭痛は若い男性に多く、眼周囲から前頭部、側頭部にかけての激しい頭痛が数週から数カ月の間、群発することが特徴です。睡眠中に発作が起こりやすく、発作の発症時には頭痛と同側の眼の充血や流涙、鼻汁や鼻閉感、縮瞳(瞳孔が過度に縮小すること)、眼瞼下垂(まぶたが下がること)などの症状が現れます。また発作中は落ち着かず興奮したような状態になることが多く、動けなくなる片頭痛とは対照的です。

プロフィール

【 経歴 】
略歴:
1984年 日本医科大学 卒業、日本医科大学 付属第1病院 第2内科 入局
1996年 日本医科大学大学院 医学研究科博士課程 修了、日本医科大学 第2内科 助教
2002年 博慈会記念総合病院 神経内科 部長
2006年 日本医科大学付属病院 神経・脳血管内科 助教
2009年 日本医科大学大学院 医学研究科神経内科学分野 講師

専門分野:
内科、神経内科、頭痛、脳卒中

資格:
日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医、日本頭痛学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本医師会認定産業医

公的役職:
日本神経学会代議員、日本頭痛学会代議員、日本脳卒中学会評議員、日本脳循環代謝学会評議員

所属委員:
日本頭痛学会選挙管理委員会委員、日本頭痛学会専門医委員会委員

 

体が発するSOSの記事一覧

 

こちらの記事は「意気健康 13夏号」の巻頭特集に掲載されたものです。