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学校法人日本医科大学

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高齢者に多い病気特集  うつ病

Webマガジン 高齢者に多い病気特集 日本医科大学千葉北総病院 メンタルヘルス科 下田 健吾 うつ病

超高齢化社会の中、高齢者のうつ病が右肩上がりで増え続けています。うつ病になる原因はさまざまですが、心の健康を取り戻すためにはうつ病と向き合い治療を続けていくことが大切です。今回は日本医科大学千葉北総病院メンタルヘルス科の下田健吾(しもだ・けんご)先生にお話を伺いました。

うつ病とは?

うつ病は脳機能のアンバランスな状態が続き「生命エネルギー(生きるために必要な生理的欲求)」の低下が生じ、その結果、生命感情の低下が引き起こされ、重苦しい気分が続き意欲が低下し、思っていることが上手く出来ない、今まで出来ていたことが出来なくなったと感じる状態が2週間以上続くものと定義されています。なお、一般的に用いられる「うつ状態」は診察した時点の状態を表す言葉で、正式な病名ではありません。
厚生労働省の調査によると、うつ病を始めとする気分障害の患者数は高齢者で360万人とされ、社会的な問題になっています。

うつ病の原因について

図1:高齢者のうつ病の要因 (出典:木村真人高齢者のうつ状態 ―多元的アプローチー 老年精神医学雑誌 2011より一部改訂)うつ病の原因は、主に「生物学的要因(遺伝性)」「身体的要因(老化による身体機能の低下)」「心理社会的要因」に分類されます(図1)。その中でも高齢者がうつ病になる原因の多くは「身体的要因」と「心理社会的要因」です。
身体的要因の主たるものは加齢に伴う脳の変化や機能低下です。また、年齢を重ねると死別や子離れ、退職や転居に加え、体力の衰えを感じることが多くなります。このような喪失体験(今まであったものが失われていく)が大きな心理的要因です。特に女性は結婚や出産、子離れ、閉経によるホルモンバランスの変化、死別といったライフイベントが男性よりも多いため、うつ病の発症率は男性の2倍といわれています。高齢者がうつ病になりやすい要因は「うつ病の既往歴があること」「慢性的な病気を抱えていること」「孤立していること」「社会的サポートが乏しいこと」そして「女性であること」ということが挙げられます。

プロフィール


【 経歴 】
略歴:
1991年 日本医科大学 卒業
      日本医科大学精神医学教室 入局
1995年 日本医科大学精神医学 助手
1995年〜1997年 米国アイオワ大学精神科研究員(脳卒中後うつ病の研究)
2003年 日本医科大学精神医学 講師
2009年 日本医科大学付属病院精神神経科 医局長
2016年 日本医科大学精神医学 准教授

専門分野:老年精神医学(うつ病および認知症)、器質性精神障害(脳卒中後の精神障害)

資格:医学博士、精神保健指定医(厚生労働省)、精神保健判定医(厚生労働省)、日本精神神経学会専門医・指導医、日本老年精神医学会専門医・指導医、一般病院連携精神医学専門医・指導医、日本臨床神経生理学会脳波部門専門医

所属委員:日本神経精神医学会評議員、日本総合病院精神医学会評議員、東京都教育委員会学校医、千葉県精神保健業務嘱託医

所属学会:日本総合病院精神医学会認知症対策委員、日本総合病院精神医学会専門医認定委員会委員、認知症の最新医療編集員など

 

こちらの記事は「意気健康 17号夏号(2016年6月発行)」の巻頭特集に掲載されたものです。