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高齢者に多い病気特集  変形性膝関節症

Webマガジン 高齢者に多い病気特集 日本医科大学武蔵小杉病院 認知症センター 北村 伸 きたむら・しん 認知症

「膝の痛み」という症状は若い世代でもよく起きる印象があります。しかし「変形性膝関節症」は中年期から、特に高齢者に多いといわれている病気です。命にかかわるリスクは大きくはありませんが、別の何らかの病気が原因となっている場合には、症状が急激に進むこともあり注意が必要です。急な悪化を防ぐためには正しい知識を持ち、適切な治療を受けることが重要です。今回は変形性膝関節症について、どのような場合に早急な対応が必要であるかを含めた注意すべきポイントを、日本医科大学付属病院整形外科・リウマチ外科の飯澤典茂(いいざわ・のりしげ)先生にお話を伺いました。

変形性膝関節症とは?

図1:認知症高齢者数将来推計変形性膝関節症は膝の軟骨がすり減ってしまい、そのために骨の突起などが出来る病気です。元々骨と骨の間にあったすき間が狭くなったり、膝の半月板が変形したりします(図1)。本来の形とは異なる形状になったために、膝の関節の組織が押され過ぎたりひっぱられ過ぎたりしてしまい炎症を起こします。また、軟骨に小さな傷がたくさん出来ることで膝が腫れてしまいます。膝の関節痛を訴えて外来にいらっしゃる患者さんは多くいますが、変形性膝関節症が痛みの原因である場合には、疑うべき所見は多岐に渡ります。症状が進んでいる場合には、見た目から膝周りが変形してしまっていることもあります。

変形性膝関節症の原因について

変形性膝関節症は膝関節にある軟骨が擦れて摩耗することが原因で起きます。膝関節に痛みが発生したり、膝関節を使う運動に制限が出てしまったりといった症状が特徴です。一次性変形性膝関節症と呼ばれる、軟骨の摩耗だけを原因として発生した変形性膝関節症の場合には、特に原因となる病気はありません。一次性変形性膝関節症の主な原因は病気ではなく加齢による軟骨や骨の変形です。その他にも肥満やO脚などにより、毎日少しずつ膝に負担がかかることで骨が変形するなどして、細かい外傷が蓄積していくことで発生します。
図2:水色しかし、二次性変形性膝関節症には、他の原因となる病気が複数疑われます。代表的な病気として、先天性股関節脱臼、先天性内反足、関節リウマチ、ペルテス病、靭帯損傷などが挙げられます。これらの場合には劇的に症状が進んでしまうことが考えられるため、素早い診断と治療が求められます(図2)。疑わしい病気に心当たりがある場合には、受診の際に必ず医師に伝えるようにしてください。

変形性膝関節症の症状

じっとしている時には痛みを感じず、動き出す時に強い痛みを感じます。立ち上がる瞬間や、それまでじっとしていて急に動き出そうとした際に強い痛みを感じることが多いです。患者さんが初めて受診をするきっかけとして、「動き出そうとしたら、膝に今まで感じたことのない痛みを感じた」という体験をよく聞きます。なお、一次性変形性膝関節症は動いていない時には無痛ですが、二次性変形性膝関節症は原因となる病気が別にあるため、静止時にも痛む場合があります。一次性、二次性ともに腰から下、脚部分の機能が不自由になり日常生活活動(ADL)に制限が生じます。階段の上り下りや、長距離の歩行時にも疼痛を感じることが特徴です。

プロフィール

飯澤 典茂先生


【 経歴 】
略歴:
1991年 日本医科大学 卒業、日本医科大学整形外科学教室 入局
1993年 日本医科大学大学院 入学 整形外科学専攻
1997年 日本医科大学大学院 卒業
1997年 山形県 北村山公立病院 リハビリテーション科医
1999年 山形県 北村山公立病院 整形外科医長
2002年 日本医科大学付属病院整形外科 助手
2010年 日本医科大学付属病院整形外科 講師

専門分野:
膝関節外科・肩関節外科

資格:
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会スポーツ医、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、日本体育協会公認スポーツドクター

所属学会、公的役職:
日本整形外科スポーツ医学会評議員、日本バスケットボール協会医科学委員

 

こちらの記事は「意気健康 15号冬号」の巻頭特集に掲載されたものです。